株式会社テクノエーピー 放射線・放射能測定装置 設計・開発・販売 | |||||||
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今回は弊社DSPやMCAに搭載されているスペクトル解析の機能の一つであるpeak search analysisのガウスフィッテングについて解説します。 |
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Eq.(1)の係数(パラメータ)をaと統一します。 |
1.モデル関数f(xi;a)の独立変数xiを与え、パラメータの初期値a(0)をセットします。 |
3.f(xi;a)を各パラメータで偏微分したm×mの対称行列αjkを作ります。 |
4.残差に偏微分をかけたm 行 1 列の行列βjを作ります。 |
5.対角成分αjjに強調させる係数(1+λ)を乗じたのがα'です。 |
6.連立方程式Eq.(7)を解いてδaを求め、χ2(a(0)+δa)を計算します。 |
7.χ2>χ02ならば、λを10倍にして、5.に戻ってやり直します。 |
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ガウスフィッテングなどの非線形最小二乗法の演算ライブラリはpython、rootなど数値計算が得意なインタプリタ言語には無償で準備されているようなのでそれを使えばよいと思ったのですが、弊社のようにアプリケーションを開発している場合、DLLとして組み込む必要があります。peakfit、MATLABで有償で対応しているようです。改造や調整もできないことを考えると自作した方がよいということで、開発することにしました。ピークサーチと同様にC言語で記述してDLL化(Fig.1)することで高速化を実現、リアルタイム演算を可能にしております。 |
先ずガウスフィッテングの良いところは、統計が足りてなくて手計算だと全然まともな値にならない場合(Fig.3)でも、それなりの数値(Fig.2)を出してくれる所です。再現性が高いので長時間測定しなくても安定した数値を得ることができます。 |
次にフルスケールを10MeVとか非常に広く取ったとき(Fig.4)で、低エネルギー(この場合は121.8keV)を着目した場合、ヒストグラムのチャネルを16kchと細かく取ったとしてもチャネルの分解能が足りなくなる場合があります。(Fig5)
net(cps)rawは黒点からネット計数率を算出した値であり、ガウスフィッテングで算出した値net(cps)fitより小さい数字になってしまっています。理由はチャネルの分解能が足りないからでしょう。このような場合でもガウスフィッテングは有効です。 |
アプリケーション上ではピークサーチから得られた結果より自動的に初期値を求めガウスフィッテングを行いますので、これと言った使い方はないのですが、リアルタイムに情報が更新しますので便利かと思います。 |
Fig.6は流通しているTIG溶接用のトリウム入りタングステン電極棒から発生している自然放射線トリウム系列からのTl-208の2.6MeVγ線のピークです。高エネルギーガンマ線の試験をするときに便利です。 |
Fig.8は青枠を拡大しているスペクトルです。1分間計測しました。443keVと463keVはまだ埋もれている感じですが、 |
きちんとガウスフィッテングがかかってくれます。(Fig.9) |
1minスペクトル(Fig.9)と10minスペクトル(Fig.10)で3つのピークについて比較します。net(cps)fit、FWHM(keV)fitは誤差の範囲内だと思います。 |
それでは、より良い製品が作れるように社員一同全力で頑張ります。応援の程どうぞよろしくお願いします。 |
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