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株式会社テクノエーピー 放射線・放射能測定装置 設計・開発・販売
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 Q & A

APV8104 Digital Pulse Processor

【対象機種】
APV8102, APV8104, APV8508, APV8102MWPSAGb

質問 付属アプリ起動時に「connection error」ダイアログが表示され、PCと機器が接続できない。
回答 付属アプリケーション起動に発生する、PCと機器との接続エラーに関しては、こちらのサポート-イーサネット機器共通を参照ください。

質問 推奨の設定例はありますか?
回答 検出器の種類や極性、エネルギー分解能重視か計数重視かなどで設定の内容は異なりますが、設定例を提案させて頂いております。こちらのサポート-設定例を参照ください。

質問 リストモードとは?
回答 リストモードとは、検出器が放射線を検知した際に、検出器からの出力信号が設定したスレッショルドを超え、その信号による積分値が確定した時に、検知した時間と積分値とCH番号をリストデータとしてひとまとめにし、PCへ転送してファイルへ保存する計測です。

1つの有効イベントから取得できるリストデータ及びフォーマットは下記の通りです。
ListFormat

「TDC」は時間情報です。計測開始から放射線を検知するまでの経過時間で、ビット数は64ビットあります。1ビットあたりの時間は、1GSPSと500MSPSの違い及びイベントデータ内TDCのcoarse部(上位56ビット分)とfine部(下位8ビット分)の違いにより、下記の通りとなります。
1GSPS  : coarse 1ns | fine 3.90625ps 製品:APV8104等
500MSPS : coarse 2ns | fine 7.81250ps 製品:APV8508等

「CH#」はイベントを検出したCH番号です。3ビットで8CH分あります。

「QDC」は波形部分の積分値(総和)です。

オプションを追加することで、波形の特定範囲の積分値や波高値など追加してイベントデータを拡張することも可能です。

質問 複数台用意しチャンネル数を増やしてリストモード計測をする際、機器間で同期をとることは可能ですか?
回答 可能です。複数台での同期計測の3つの例を下記に記載します。

1.スタートとストップが1対1の場合

(1) 次のように検出器等からの出力信号を入力します。
 CH1 : 検出器#1スタート信号
 CH2 : 検出器#1ストップ信号
 CH3 : 検出器#2スタート信号
 CH4 : 検出器#2ストップ信号
 CH5 : 検出器#3スタート信号
 CH6 : 検出器#3ストップ信号
 CH7 : 検出器#4スタート信号
 CH8 : 検出器#4ストップ信号
 Sync1to1

(2) リストモードにて計測を開始し、リストデータを取得・保存します。

(3) リストデータから時間スペクトルデータの取得します。その際、次のように計算し時間差情報を取得します。尚、下記「TDC」はcoarse部、「TDCFP」はfine部とします。

 時間差情報1 : CH2[TDC*256 + TDCFP] - CH1[TDC*256 + TDCFP]
 時間差情報2 : CH4[TDC*256 + TDCFP] - CH3[TDC*256 + TDCFP]
 時間差情報3 : CH6[TDC*256 + TDCFP] - CH5[TDC*256 + TDCFP]
 時間差情報4 : CH7[TDC*256 + TDCFP] - CH8[TDC*256 + TDCFP]

 Sync1to1Graph



2.スタート信号とストップ信号が1対複数の場合

(1)各ボード(B0及びB1)のCH1へスタート信号を入力します。各ボードのCH2からCH8へストップ信号を入力します。CH1へは同一タイミングの信号を入力します。
※注意 - CH1はスタートタイミングを決める為、ジッターの小さく、早いパルスを入力します。
 Sync1toN

(2) リストモードにて計測を開始し、リストデータを取得・保存します。

(3) リストデータから時間スペクトルデータの取得します。その際、次のように計算し時間差情報を取得します。尚、下記「TDC」はcoarseビット値、「TDCFP」はfineビット値とします。

 時間差情報1 : CH2[TDC*256 + TDCFP] - CH1[TDC*256 + TDCFP]
 時間差情報2 : CH3[TDC*256 + TDCFP] - CH1[TDC*256 + TDCFP]
 時間差情報3 : CH4[TDC*256 + TDCFP] - CH1[TDC*256 + TDCFP]
 時間差情報4 : CH5[TDC*256 + TDCFP] - CH1[TDC*256 + TDCFP]
 時間差情報5 : CH6[TDC*256 + TDCFP] - CH1[TDC*256 + TDCFP]
 時間差情報6 : CH7[TDC*256 + TDCFP] - CH1[TDC*256 + TDCFP]
 時間差情報7 : CH8[TDC*256 + TDCFP] - CH1[TDC*256 + TDCFP]

 Sync1toNGraph



3.スタート信号とストップ信号が複数対複数の場合。

ボード0(以下B0)をスタート信号入力用、ボード1(以下B1)をストップ信号入力用として計測します。
(1)各ボードのCH2からCH8へ計測したい信号を接続します。各ボードのCH1へ共通のNIM信号またはTTL信号を接続します。
※注意 - CH1は補正時間を決める用途の為、ジッターの小さく、早いパルスを入力します。

 SyncNtoN

(2) リストモードにて計測を開始します。

(3)初めに、各ボードのCH1へ、1パルスの信号を入力します。

(4)その後CH2からCH8へ計測したい信号を入力します。

(5)保存されたリストデータから時間差情報を取得します。

まず、ボード内の時間情報を補正します。CH2からCH8の各TDC値からCH1のTDC値を引きます。
B0内補正 :
data0’ = B0 CH2[TDC*256+TDCFP] -B0 CH1[TDC*256+TDCFP]
data1’ = B0 CH3[TDC*256+TDCFP] -B0 CH1[TDC*256+TDCFP]
B1内補正 :
data2’ = B1 CH2[TDC*256+TDCFP] -B1 CH1[TDC*256+TDCFP]
data3’ = B1 CH3[TDC*256+TDCFP] -B1 CH1[TDC*256+TDCFP]

次に、 補正したTDC値を元に、ストップボードB1のTDC値からスタートボードB0のTDC値を引くことにより時間差情報が得られます。
時間差情報 :
Diff X0 = data2’ - data0’
Diff X1 = data3’ - data1’

 SyncNtoNGraph
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